隣に座る女の子は目の前に出された団子に夢中で、一緒にいる僕なんて見向きもしない。


「沖田さん、お団子食べないんですか?」


そう言いながら目線は僕が持ってる団子に目が行ってる訳で。
全くもって面白くない。


「…僕はもうお腹いっぱいだから、これ千鶴ちゃんにあげる」



その代り僕はこっちを貰うから。


「!!!!! ちょ、お、きたさっ…!!」
「餡子、付いてたよほっぺた」
「え?あ、あんこ…?ありがとうございます…」
「どういたしまして」


やっと僕の方を見た。
目を細めてにっこり笑えば、彼女は顔を赤らめて俯いた。
2010.02.27UP
初出:2009.08.02